赤ちゃんは嘔吐しやすく、毎日嘔吐することもありますが、明らかに様子がおかしい深刻な嘔吐でなければ心配いりません。
今回はなぜ赤ちゃんは嘔吐をしやすいのか、予防できる対策も一緒に紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
【赤ちゃんが嘔吐しやすい理由は?】
赤ちゃんの内臓は未発達
赤ちゃんが嘔吐しやすい理由は内臓の未発達が関係しています。
なぜ内臓の発達が完成していないと嘔吐をしやすくなるかといいますと、完成した大人と胃と違って未完成の赤ちゃんの胃の入り口は緩い状態です。
大人は胃の入り口がきゅっと閉じるタイプの作りになっているので嘔吐しにくいのですが、赤ちゃんの胃は入口が緩く開いた状態になっているので少しの衝撃でもびっくりして胃の中のものを外に吐き戻してしまうのです。
この赤ちゃんの胃の状態を水風船で例えるととても分かりやすく、入り口を結んでいない風船は少しの衝撃でも水が外に飛び出しますが、入り口をしっかり結んだ風船は押しても水が飛び出しません。
赤ちゃんが大人と同じ胃の形になるまでは頻繁に嘔吐が起こりますが、ひどい症状の嘔吐でない限り、どの赤ちゃんにもある成長過程のものなので大丈夫です。
生後3カ月頃から嘔吐は落ち着きます
赤ちゃんの嘔吐が落ち着いてくるのが生後3カ月を過ぎたあたりと言われています。
生まれたばかりは入口がゆるく開いていた赤ちゃんの胃も、首が据わる生後3カ月頃には大人とおなじように入り口が閉じる胃へと発達していきます。
しかし、中には病気が関係している場合もあるので赤ちゃんの嘔吐をチェックしていきましょう。
【嘔吐したときにチェックしてほしいこと】
赤ちゃんの吐き方
いちばん初めに赤ちゃんの吐き方を確認してください。
赤ちゃんにはいくつかの吐き方があり、静かに口から流れ出す吐き方と一度にたくさんの量を出す吐き方、噴水のように吹き出す吐き方の3があります。
静かに口から流れ出す吐き方は「溢乳(いつにゅう)」と呼ばれる生理的現象の嘔吐で、一度に吐きださす少しずつ流すように吐くのが特徴です。この溢乳が起こる原因のほとんどは赤ちゃんの体に傾斜が起きていることです。
たくさんの量を一度に吐き出す原因はミルクや母乳の飲み過ぎ、授乳後のゲップが上手にできなかったことで、嘔吐した後も赤ちゃんの様子がいつもと変わらず元気に過ごしているなら問題ありません。
いちばん心配なのが噴水のように吹き出す吐き方です。この吐き方をするときに考えられるのが髄膜炎や幽門狭窄症などの腸に関係する病気なので一度病院で診察を受けましょう。
嘔吐の色味
赤ちゃんの嘔吐色のほとんどは乳白色か、食べた離乳食がそのまま出てくるものですが、緑色の嘔吐色だった場合はすぐに病院で診察を受けてください。
乳白色は母乳やミルクを吐いたときの色ですが、緑色の場合は担汁が混ざっているため腸閉塞が起きている可能性が高いのです。緑色の嘔吐色は危険信号なのですぐに病院へ行ってください。
嘔吐後の体重
赤ちゃんの胃は入り口が開いた状態なので、胃に入ったものを小さな刺激でもすぐに戻してしまいます。
食後に必ず嘔吐する赤ちゃんもいるのでお母さんは栄養がきちんと取れているか心配になると思いますが、たくさん吐いていても赤ちゃんが元気に過ごしていれば大丈夫です。
どうしても吐く回数に目がいってしまいますが、大事なことは赤ちゃんの体重が少しずつでも増えていることです。毎日赤ちゃんの体重を測り30gずつ増えているか確認してください。
毎日計測を続けて体重が少しも増えていない、反対に少しずつ減少している場合は赤ちゃんの具合が良くない可能性があるので、一度病院で診てもらいましょう。
発熱や下痢の有無
赤ちゃんが嘔吐したときに必ず確認してほしいのが発熱や下痢の有無です。
嘔吐した後もいつもと変わらず元気に過ごしていても発熱と下痢の確認は大切で、もしどちらかあった場合は病気にかかっている可能性があります。
可能性があるのが風邪やウイルス性胃腸炎、食中毒などの病気です。嘔吐の他に発熱や下痢の症状があった場合はすぐに病院で診てもらいましょう。
【赤ちゃんの嘔吐を予防するには?】
寝る時に少し傾斜をつくってあげる
胃が未発達な赤ちゃんに合わせてバスタオルやクッションなどで上半身に少しだけ傾斜を作ってあげましょう。頭部を少し高くすることで胃を衝撃から守ることができ、胃の入り口からの吐き戻しも予防できます。
授乳した後もすぐに寝かさず胃が落ち着くまで縦抱きしたり、ゲップを出させたり、授乳用のクッションを使って寝かせる方法もおすすめです。
授乳量を少しずつにする
生後3カ月までは胃が未発達なため、たくさん飲むと嘔吐の原因になります。なので、生後3カ月を迎えるまでは授乳量を調整してあげましょう。
ミルクの場合は哺乳瓶を使うので調整しやすいですが、母乳の場合じぶんで計測するのは難しいですよね。赤ちゃんの吐く回数によって授乳時間を決めて調整の目安にしましょう。たくさん吐く赤ちゃんの授乳時間は10~15分が目安です。
他にも、次の授乳まで間隔が開くと出にくくなったり反対に出すぎてしまったりがあるので、授乳前後のマッサージや搾乳などで母乳の調整もしていきましょう。
【まとめ】
以上、赤ちゃんが嘔吐しやすい原因と嘔吐を予防できる方法の紹介でした。
嘔吐した時に緑色だった、下痢や発熱がある、赤ちゃんの様子がおかしいなどが無ければ大丈夫ですが、脱水症状にならないように水分補給はこまめにとらせてください。
嘔吐しても赤ちゃんが元気にいつもどおりなら問題ありませんが、頻繁にある嘔吐で脱水症状を起こる場合も多くあります。
水分補給もこまめにとらせ、赤ちゃんの吐き方などもチェックしてみてください。