生後9~10ヵ月頃の赤ちゃんは、おすわりやはいはい、つかまり立ち、早い子は歩き始めるなど、成長の個人差が大きく、色々と心配なパパやママも多いでしょう。この時期に乳幼児検診を受ける方は、どんな点をチェックされるのか知っておきたいという方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は9・10か月健診のよくある内容やチェックポイントについてまとめてみました。
・そもそも乳幼児検診とは?
出産後、今までにすでに受けられたという方も多いかと思いますが、まず乳幼児健診とは、赤ちゃんが順調に育っているかどうか、成長や発達で心配な点や病気がないかなどを調べ、赤ちゃんそれぞれに合ったアドバイスをもらえる場です。市町村など自治体が公費負担で実施している乳幼児健診は、基本的に乳幼児期に1~2回と1歳6ヵ月時期、3歳時期に行われます。9・10ヵ月健診は自治体によって無料で受けられるところもあれば、気になる方だけ自己負担で産院や小児科で受けるというところもあります。
身長や体重はどのくらいが理想?
母子手帳などに掲載されている成長曲線のグラフには、厚生労働省が10年ごとに乳幼児の測定結果を調べて作った値を元に、成長の平均とされる帯(色のついた部分)が記されています。同じ月齢の赤ちゃんがどのくらいの身長・体重かを知りたい場合は、そちらを参考にしましょう。ただ、健診でチェックされるのは、体重や身長の値そのものや、成長曲線グラフの帯の中に入っているかどうかでなく、その赤ちゃんの成長曲線がカーブを描きながら増えてきているかを重要視されます。
9~10ヵ月頃は運動量が増えて体重の増加が落ち着いてくる時期です。離乳食の進め方も個人差があるので、小食な赤ちゃんはやはり体重が増えにくいですし、この時期に急に母乳やミルクの飲みも悪くなって心配するママもいらっしゃるかと思います。それでも少しずつでも体重が増えているのであれば大丈夫です。もしも前回の測定値より減少してしまうようなことがあれば、病気など別の原因の可能性もあるので、健診時に相談するか、かかりつけの小児科で相談してみてください。
運動機能や反射の発達など、健診でチェックされる内容とは?
健診を行う機関によって項目は多少異なる場合があるかもしれませんが、小児科の先生から聞いた10ヵ月健診のチェック項目をご紹介します。
①ものを掴めるかどうか
指先まで神経が行き届いているかどうかのチェックのために、積み木など小さなものを指先でつまむように持てるかどうかをみます。また、両手に持たせて打ち合わせるかどうかを見る場合もあります。
9~10ヵ月頃の赤ちゃんは人見知りの時期で泣いてしまい、普段通りにできない赤ちゃんもいるかと思います。その場合は、普段の様子を聞かれたり、いつから出来るようになったかなどを聞かれたりする場合がありますので、あらかじめ母子手帳などにメモしておくとよいでしょう。
②パラシュート反応
両脇を支えて赤ちゃんを持ち上げ、急に体を前に傾けたとき、両手を前に出ることを、パラシュート反応と呼びます。これから歩くようになる赤ちゃんがもし転倒しそうになった場合、顔や頭を打ちつけないよう防御するための本能的な動きです
③はいはいの姿勢
どのような姿勢ではいはいするのかを見ます。赤ちゃんによって、腹這いの姿勢で後ろに進んだり、高這いしたり、片足だけ伸ばしてはいはいするなど、様々なバリエーションがありますが、どんなバージョンでも特に問題はありません。チェックされるのは、その姿勢になったときに首がだらんとしていないか、腕などで身体を支えることが出来ているかなどです。
④たっちの姿勢
まだ一人でたっちしたり、伝い歩きが出来なくても問題ありません。両わきを支えて立たせたとき、足を突っ張って立とうとするかをみます。これはたっちをするために必要な足の筋肉がきちんと発達しているかどうかをみるためのチェックです。
⑤呼びかけへの反応
問診のみで済まされる場合もありますが、呼びかけられたときに振り向くかどうかをチェックされるところもあるようです。
⑥おとなの真似をするかどうか
バンザイや拍手、バイバイなど、大人がやって見せた動作を真似するかどうかですが、こちらも人見知りがあると普段は出来ていても、健診の場では難しいかもしれません。初めてできた日や動作をメモしておくとよいでしょう。
⑦その他のチェック項目
離乳食の進み具合や、歯の生え方のチェック、聴診、触診、視診などがあります。このときに質問がないかも聞かれますので、普段から気になることがあれば、質問内容をまとめておくとよいでしょう。
さいごに
赤ちゃんが人見知りや場所見知りで大泣きして、検査がうまくいかないこともありますが、健診を行う先生も慣れておられますので、特に気にする必要はありません。最低限チェックしなければいけない項目はちゃんと見てもらえるので、別の日に受け直さなければならないということもありません。普段の様子を聞かれた場合は、なるべく正確に答えるようにしましょうね。