もしかしてアトピー?
赤ちゃんの気になる肌荒れの症状と対処方法

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とってもデリケートな赤ちゃんの肌。特に乳児期早期は、ちょっとしたことで、すぐに赤くなったり、ぶつぶつが出来たり、湿疹のようなものが出来てしまいます。その多くは乳児湿疹と呼ばれるものですが、他にも皮膚の病気はたくさんあります。湿疹が酷いとアトピー性皮膚炎では無いかと心配するママも多いのではないでしょうか?

赤ちゃんの湿疹が乳児湿疹なのかアトピーなのかを見分けることは、素人にはかなり難しいと思いますが、少しでも早く異常に気づけるように、まずは、それぞれどんな症状でどんな原因で起きるかを知っておきましょう。

赤ちゃんのよくある皮膚の病気と症状

◆乳児湿疹

主な症状は、頭や顔などに赤いポツポツとした湿疹ができ、かゆみを伴うこともあります。他にも体質や原因によって色々な症状があり、1歳頃までに出来る湿疹の総称です。新生児期はアトピーでも乳児湿疹として診断されることもあります。
原因は様々で、たとえば、生後間もない赤ちゃんは皮脂の分泌が過剰なため「乳児脂漏性湿疹」や「新生児ニキビ」などが出来やすく、2~3ヶ月を過ぎると今度は乾燥による湿疹が出来やすくなります。

<注意する点>

とにかく清潔を保つことが基本なので、毎日お風呂に入れてあげましょう。入浴時はガーゼにベビー用の石けんをつけて優しく撫でるように洗い、そのあとよく洗い流します。
かゆみなどで皮膚をかき壊すと症状が悪化してしまうため、赤ちゃんの爪は常に短く切っておきましょう。症状が長引く場合や、悪化した場合、1歳を過ぎても治らない場合は小児科を受診しましょう。

◆乳児脂漏性湿疹

頭皮や髪の生え際、眉毛などに突然発生する、黄色いかさぶた状の湿疹です。初めて見たときはびっくりされるかもしれませんが、誰にでも起こりうる一過性の症状なので、それほど心配はいりません。
赤ちゃんは皮脂の出口である毛穴が未発達なため詰まりやすく、皮脂腺から過剰に分泌された脂分と、頭皮の汚れなどが混ざって固まり、脂漏性湿疹を起こします。悪化すると炎症を起こしてしまうこともありますので、かさぶたが厚くなって赤みやかゆみがあるようなら、小児科を受診しましょう。

<注意する点>

かさぶたがめくれかけていると、つい剥がしたくなりますが、無理矢理はがすと髪の毛ごと抜けてしまうことも。入浴前にベビーオイルを塗ってしばらくすると、かさぶたがふやけて取れやすくなります。お風呂ではマッサージするように優しく洗ってあげましょう。

◆新生児ニキビ

生後2週間から3ヶ月くらいまでの肌の弱い赤ちゃんにできやすく、おでこや頬など顔の皮脂分泌が多い部分にニキビのような赤いブツブツとした湿疹ができます。痛みやかゆみは特にありません。

<注意する点>

いつも清潔にしておくことが肝心なので、おふろのときは顔もベビー用石けんで丁寧に洗ってあげましょう。症状が酷い場合は小児科を受診しましょう。

◆接触性皮膚炎

いわゆる「かぶれ」のことで、名前の通り、皮膚に触れたものが原因で、かゆみのある湿疹ができます。よくある原因物質は「よだれ」「汗」「おむつ」などで、原因物質に触れた場所だけに症状が出ます。

<注意する点>

例えば「よだれ」が原因の場合は、こまめによだれを拭き取って清潔にし、症状が酷い場合は小児科か皮膚科に処方してもらった抗炎症薬を塗ります。「おむつ」の場合は、おむつそのものではなく、「おしっこ」や「うんち」の刺激で炎症を起こしています。

お尻を清潔に保つことが大事なので、こまめにおむつを替えてあげましょう。特に「うんち」の時はお尻をよく拭いてあげることが大切ですが、お尻ふきシートなどでゴシゴシ強くこすり過ぎると、よけいに症状が悪化します。炎症が出ているときや下痢を起こしている時は、お尻ふきシートの代わりに、市販の霧吹きなどにぬるま湯を入れて、ウォッシュレットのように洗い流してあげるとよいでしょう。

◆皮膚カンジダ症

股やお尻に湿疹が出来て、赤くただれる病気です。おむつかぶれとよく似た症状ですが、おむつが当たっていない股のしわの奥まで真っ赤になり、ただれるなどの炎症を起こします。

<注意する点>

カンジダ菌というカビの一種が原因のため、抗真菌薬入りの軟膏での治療が必要です。おむつかぶれと間違えてステロイド入りの軟膏をつけると逆に悪化してしまうため、自己判断はせずに小児科や皮膚科を受診しましょう。

◆アトピー性皮膚炎

アトピーは体質によるもので、何らかのアレルギーが関係していると考えられています。ダニや、食べ物や水、空気、化学物質などの周りの環境が影響していると考えられていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

症状としては、初めは頭や顔に強いかゆみのある赤い湿疹が出来、だんだん身体全体に広がっていきます。生後2~3カ月から1歳頃までのアトピー性皮膚炎は、慢性的にジクジクとした湿疹が出ることが多く、特に手足の関節部分に湿疹が集中したり、耳のつけ根がただれてしまったりという症状(耳切れ)が見られることもあります。

生後1ヶ月頃から症状が出る場合もありますが、「アトピー性皮膚炎」の特徴として「慢性的に症状が良くなったり悪化したりを繰り返す」や「2ヶ月以上湿疹の症状が出る」というものがあるため特定が難しく、正式に診断されるのは、生後3ヶ月以降であることが多いです。

<注意する点>

アトピーの疑いがある場合、素人判断は禁物なので、必ず小児科か皮膚科を受診しましょう。処方された薬は意思の指示に従って服用します。自宅でのケアは清潔と保湿を常に心がけるようにしましょう。赤ちゃんはよく汗をかきますが、汗や汚れはアトピー性皮膚炎を悪化させてしまいます。皮膚をいつも清潔に保ってあげるようにしましょう。ただし、洗う際は弱い皮膚を痛めてしまわないよう、ゴシゴシ洗うことをさけ、ベビー用せっけんで優しく洗ってあげましょう。

赤ちゃんの肌トラブルを避けるために出来ること

アトピーのはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、肌が乾燥して、バリア機能が弱まった皮膚からは、ダニや食べ物といったアレルギーの原因になる物質が入りやすくなり、IgE抗体という物質を作り、アトピーを発症しやすくなると言われています。

乾燥しやすい肌の赤ちゃんは、日頃から保湿を心がけて、少しでもリスクを抑えておきましょう。特にお風呂上がりは水分が失われがちなので、ベビーローションやミルク、クリームなど、無着色・無香料の赤ちゃん用のケア商品を使って保湿してあげましょう。ただし既にアトピー性皮膚炎と診断された赤ちゃんは、市販されている保湿ケア商品が肌に合わない場合もあるので、医師に相談しながらケアをしてください。

また、アレルギーの原因となるものにできだけ接触しないことも大事です。こまめに掃除や布団干しをしてダニやほこりを除去し、赤ちゃんの肌に直接触れる衣類は通気性の良い天然素材の繊維のものを選ぶようにするなど、周りの環境に気をつけてあげましょう。

さいごに

アトピーに限らず、赤ちゃんの肌トラブルを防ぐには、清潔に保つことが大事です。日頃から赤ちゃんの肌の状態をしっかりチェックし、赤い湿疹が繰り返し出る場合や、痒みが酷そうな場合はすぐに病院を受診しましょう。

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