赤ちゃんのうんちは、健康や成長のバロメーターと言われています。うんちの色や形、1日の回数も個人差が大きく、食べたものや時間、発達段階などでも変化するので、「これって大丈夫?」と悩むお母さんも多いですよね。
特に0~4ヶ月の離乳食開始前の赤ちゃんは、1日に1~10回以上と回数の個人差が大きく、便秘かどうかの判断が難しいです。また、便秘で赤ちゃんを病院に連れて行く方がよいか様子をみるべきかの判断は、回数だけではなく赤ちゃんの様子やうんちの状態にも注意する必要があります。
そこで今回は、小児科や産婦人科で教えていただいた、赤ちゃんの便秘についてのアドバイスをご紹介したいと思います。
・どういう症状を便秘と呼ぶの?
赤ちゃんは排便のコントロールがまだできないため、ちょっとした刺激でうんちをしてしまうことも多いです。特に新生児の頃は回数が多いですが、1日に10回以上と回数が多くても、機嫌がよければ心配はいりません。ただし、おむつかぶれには気をつけてあげましょう。
ではうんちの回数が少ない場合はどうでしょう?もともと2~3日でなくても平気な赤ちゃんもいますが、例えば1日に7回ほどうんちをしていた赤ちゃんが、急に3日ほどうんちが出なくなったという場合、とても心配ですよね。ですが、成長過程によって自然に回数が減ってきただけかもしれません。冒頭で述べたように、便通の回数だけでなく、以下に挙げた3つのポイントで赤ちゃんの様子やうんちの状態をみて判断しましょう。
①食欲があるか
うんちが出ずにお腹が苦しいと、赤ちゃんは母乳やミルクを飲むのを嫌がったり、吐いてしまったりします。便秘がかなり悪化している可能性があるので、すぐに小児科で診てもらいましょう。
②ひどく機嫌が悪くないか
眠さや空腹などの理由がないのに泣いている、普段より激しく泣くなどの場合、お腹が張って苦しかったり痛かったりという症状を泣くことで訴えている可能性があります。いつもと様子が違うと感じたら、早めに受診しましょう。
③うんちが固すぎないか
便秘とは、うんちが出ないことだけを指す訳ではありません。便通があっても、小石のようにコロコロと固いうんちや、固くて血が混じっているうんちが出た場合は、かなり便秘が悪化している可能性があります。また、いつもと違う色のうんちが出た場合(黄色・緑・茶色などは正常ですが、赤・白・黒のうんちは要注意)も、すぐに小児科で診てもらいましょう。
3つとも特に問題が無ければ、しばらく様子を見ても大丈夫でしょう。気になるようでしたら後でご紹介する便秘の対処法を試してみてもよいかもしれません。色々試してみても1週間以上便秘状態が続く場合は、病院で診てもらいましょう。
便秘の原因と対処方法とは?
赤ちゃんが便秘になる原因がわかれば、予防できますよね。もし便秘になってしまっても、簡単なケアを知っていれば、悪化する前に改善できるかもしれませんね。
■主な原因はおなかの力の発達不足と水分不足
厚着のさせすぎは、赤ちゃんが思うように動けず、運動不足になります。また、赤ちゃんは汗っかきなため、脱水症状を起こす原因にもなります。特に寝るときは布団の掛けすぎにも気をつけて。
対処法① 薄着を心がける
赤ちゃんの服装の目安は、生後0~2ヶ月は大人と同じ、3ヶ月からは大人より1枚少なめを心がけましょう。また、寝るときは冬などの寒い時期でも、基本的に肌着+カバーオールのみで大丈夫です。
<布団の目安>
昼寝:タオルケットor綿毛布1枚
夜間:タオルケットor綿毛布1枚+薄めの布団1枚
対処法② 運動させる
特にねんねの時期の赤ちゃんは、まだうまく自分で運動ができませんので、お母さんが手伝ってあげましょう。ただし、授乳後すぐの運動やマッサージは避けましょう。血行が良くなっているお風呂上がりなどに行うと効果大です。ベビーオイルをつけて撫でてあげると、スキンシップによるリラックス効果もあるので、赤ちゃんもご機嫌になりますよ。
・のの字マッサージ
おへその周りをぐるっと時計回りにのの字を書くようにマッサージしてあげます。お腹が張っている状態で押すと痛がってしまうので、あまり力を入れずに、優しくマッサージしてあげましょう。
・足の体操
自転車をこぐように、片足ずつ曲げて伸ばしてを繰り返します。お腹を直接押さえる訳ではありませんが、足を動かすことで、腸に刺激を与えます。歌やかけ声などをかけながら、楽しく動かしてあげると、赤ちゃんも嫌がらず、良いスキンシップになりますよ。
対処法③ 水分補給をしっかりと。砂糖水が効果あり!
体内の水分が不足すると、うんちが固くなってしまい、出すことができず、便秘になります。水分をしっかりとって、便秘の解消をしましょう。
赤ちゃんの便秘には昔から砂糖水がとても効果があると言われています。作り方としては、100ccの湯冷ましに対して5gの砂糖やオリゴ糖を混ぜます。(濃度が5%になるように作ります)。1回にあげる量の目安は20~30cc程度です。授乳に影響がないように、飲ませすぎに気をつけましょう。頻度は、多くても1日2~3回までにしておきましょう。
■最終手段は浣腸!
産院などでも教えてもらえることがありますが、3~4日経ってもうんちが出ない場合は、綿棒にベビーオイルをつけて、肛門から1センチほど入れて、10秒ほどゆっくりと回して抜く、「浣腸」を試してあげてください。昔は癖がつくからしない方がいいと言われていましたが、最近は特に問題ないとされています。
さいごに
今回は新生児の赤ちゃんでも試せる方法を中心にご紹介しました。ちなみに母乳育児のお母さんに知っておいて頂きたいのが、母乳の質が赤ちゃんの便秘の原因になることがあるということです。お母さんの食事が乳製品や肉などの脂肪分の多い食べ物に偏っていたり、水分補給が不十分だったりすると、脂肪分の多いドロドロの母乳になってしまいます。そうすると、特に新生児の赤ちゃんは腸が未発達なので、脂肪分がうまく消化できず、便秘になってしまうのです。赤ちゃんの便秘を防ぐため、お母さんの食事や生活にも気をつけましょうね。